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日本の選挙の投票率が海外と比べて低いのか?海外の投票率と比較

日本の選挙の投票率が海外と比べて低いのか?海外の投票率と比較

衆議院が解散となり、小池都知事が希望の党を立ち上げたことで、マスコミは選挙一色です。特に午前中から午後のワイドショーの多くの時間が選挙の話題です。

そんな中、10/1の朝のワイドショーで日本の投票率が低い、それは選挙制度の問題だというようなテーマがありました。その放送を見て疑問に思いました。普段は、政治ネタはあまり書きたくないのですが、少し調べてみたのでまとめてみました。

日本の投票率が諸外国と比べて低いというのは本当なのか?

マスコミが日本の投票率は低いと言うので、今まではそうなんだくらいに思っていて、あまり気にもしていませんでした。今回、急に気になったのは、冒頭に書いたワイドショーの中で、投票率の比較対象となっているのが3か国あったのですが、それがオーストラリアとドイツとどこかでした。(一つは失念しました。)

そのときに、おやっ?っと思いました。まず、オーストラリアは投票が義務化されていて、投票しないと罰金という制度です。(このことはなぜか知っていました。)ですから、投票率が高いのは当然です。

また、普通、海外と何かを比較するという場合に、比較対象としてあげる国は、アメリカ、イギリス、フランスといったメジャーな国を入れてくるのが普通の感覚ではないでしょうか?

なぜ、そういった国々が入っていないのかを疑問に思い、調べてみました。

日本の国政選挙における投票率は、過去最低は52.66%、近年は約60%

海外の投票率を調べる前に日本の投票率を確認しておきます。国政選挙を対象に調べました。

総務省のページから平成に入ってからの投票率を調べてみました。全体に60%を超えるかどうかという数字で推移をしています。確かに高いとは言えないと感じる数字です。

衆議院議員選挙の投票率

平成26年:52.66%
平成24年:59.32%
平成21年:69.28%
平成17年:67.51%
平成15年:59.85%
平成12年:62.49%
平成 8年:59.65%
平成 5年:67.26%
平成 2年:73.31%

参議院議員選挙の投票率

平成28年:54.70%
平成25年:52.61%
平成22年:57.92%
平成19年:58.64%
平成16年:56.57%
平成13年:56.44%
平成10年:58.84%
平成 7年:44.52%
平成 4年:50.72%
平成元年:65.02%

ちなみに昭和の時代から見ると全体に10%ぐらい下がっているようです。

詳しくは、総務省|国政選挙における投票率の推移を見てください。

年齢や性別別の投票率(第46回衆議院議員総選挙

次に年齢や性別別に投票率を見てみると、下記は、第46回衆議院議員総選挙の投票率です。やはり若い人ほど投票率が低く、女性よりも男性の方が投票率が低い傾向にあるようです。

年齢別
20~24歳 34.61 36.02 35.3
25~29歳 38.62 41.95 40.25
30~34歳 45.69 48.51 47.07
35~39歳 51.71 53.6 52.64
40~44歳 56.3 57.09 56.69
45~49歳 61.77 63.19 62.47
50~54歳 66.63 66.73 66.68
55~59歳 69.04 69.49 69.27
60~64歳 73.62 72.73 73.17
65~69歳 78 76.36 77.15
70~74歳 78.88 74.37 76.46
75~79歳 75.59 67.48 71.02
80歳以上 60.74 41.59 48.08

 最近、日本でも報道された海外の選挙の投票率

それでは、次に海外の投票率を調べてみました。まずは、最近、日本でも報道された3つの大きな選挙の投票率を調べてみました。

トランプ氏が選出されたアメリカ大統領選挙の投票率は56%

まず、日本で大きく報道される選挙としてはアメリカ大統領選挙があります。誰が大統領になるかということは日本の政治、経済にも大きな影響を与えることから日本でも大きく取りあげられます。

投票率は高いのかと思いきや、トランプ氏の選出された2016年の大統領選挙でも投票率は56%でした。

過去の大統領選の投票率を見てみても、

2012年:58.0%

2008年:61.6%

2004年:60.1%

2000年:54.2%

1996年:51.7%

と50~60%の投票率を推移しており、日本の国政選挙の投票率と比べるとむしろ低いくらいの投票率です。

ちなみにアメリカ大統領選の投票率が低い理由は、Newsweek日本版「オバマでも伸びなかった投票率の秘密」によると

  • 気にいった候補者がいないと投票に行かない
  • 投票には選挙登録が必要で面倒
  • 大統領を決めると言っても、各州の政治は各州の州法、予算によって実行されている
  • 投票所のキャパシティが小さく長蛇の列になっているのを見て諦める

www.newsweekjapan.jp

といった理由の様です。

イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票の投票率は72.2%

次に調査したのは、2016年に実施されたイギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票の投票率です。こちらは、72.2%の投票率です。なかなかの投票率です。

ただ、こちらも若者の投票率の低さは日本でも報道されたことが記憶に新しいです。

18~24才は36%、25~34才は58%と日本の若者と大きく差は無いです。

ちなみに、この国民投票は若者はEU離脱反対層が多かったのに投票率が低くEU離脱派が勝ったと言われています。

その影響で、2017年のイギリス総選挙では若者の投票率が18歳〜24歳が約58%、 25歳〜34歳は約62%と大きくあがりました。

www.huffingtonpost.jp

過去のイギリスの総選挙の投票率を見ると2015年の総選挙は66%でしたので、選挙の大切さを肌で感じると投票率はあがるということもかもしれません。

www.ipsos.com

スペインのカタルーニャ自治州の住民投票の投票率は約4割

ちょうど、今、スペインのカタルーニャ自治州の住民投票の結果をスペイン政府が認めないということで警察などが出動している様子が日本でも報じられていますが、こちらの住民投票は約4割だったようです。

www.sankeibiz.jp

世界と比較すると日本の投票率が別段低いというわけでもない

さらに他の国との投票率を調べてみようと思ったところ、「社会実情データ図録」というサイトで世界の投票率がまとめられていました。

▼▼▼

図録▽投票率の国際比較

こちらのデータからいくつかの国をあげてみると。

日本:67.5%に対して、アメリカ47.5%、イギリス61.4%、フランス60.4%と欧米は日本よりむしろ低い傾向にあります。

全体を通してみると日本の投票率は世界の中で中くらいという感じです。

ちなみに北欧諸国はノルウェー77.4%、スウェーデン:82.0%、アイスランド:83.6%と投票率が高いです。

北欧の投票率が高いのは、若者が政党青年部に所属している率が高いことや学校教育の影響が大きいようです。

そのことはこちらでまとめられていました。

tatsumarutimes.com

また、冒頭に書いたオーストラリアのように投票が義務化されている国もあります。

代表的なところでは、

  • オーストラリア:罰金
  • シンガポール:選挙人名簿からの抹消
  • ベルギー:罰金と選挙権の制限

と言った国があり、投票率は90%を超えています。

世界各国と比べて投票率が低いわけではありませんが、みなさん選挙には行きましょう!

専門家ではないので、さまざまな関連記事をもとに日本と世界の投票率について調べてみました。

結論としては、日本が特別低いわけではありませんでした。ですが、だからと言って日本の現状の投票率が良いとは思いません。

マスコミは日本を世界と比較して日本に問題がある風の報道をします。投票率についてもそうです。投票率が低いという報道がされると

「選挙制度の問題だ。政府が悪いから今の政権ではダメだから投票に行こう」

と思う人が増えるのか

「みんなが行かないなら私も行かないでおこう(結果、組織票のある政党が当選する)」

となるのかはいまいちわかりません。

ただ言えることは、みなさん選挙には行きましょう!

私は国政選挙は過去すべて投票してきました。(市議会選挙とかは棄権したことありますが。。。)

なぜかわかりませんが、私の周囲は学生時代から投票に行く人が多く、朝まで飲んでてもこれから投票に行くという友達が多かったです。

たかが1票で何が変わるのかと思う人も多いかもしれませんが、イギリスのEU離脱選挙では選挙に行かなかったことを後悔した若者が多くいたそうです。

そうならないように投票には行きましょう。

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